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聖杯(Holy Chailce) 「最後の晩餐」において、キリストが弟子達に「私の血である」としてワインを注ぎ、振舞ったという杯。 弟子達の手によって各地に運ばれ、その土地で様々な伝承を成した。よって一つだけではない。 またこの聖杯がヨーロッパにおいて騎士道物語に取り入れられ、聖杯探求の旅が描かれる「聖杯伝説」物語郡が生まれた。 「アーサー王伝説」で騎士達が探索に出された聖杯もこれである。 手に入れた者のあらゆる願いを叶えるという願望機であり、最高位の聖遺物。 しかし、真実の聖杯を手にした者はおらず、伝説の域を出ないとされている。 冬木の聖杯(Holy Grail) 数十年に一度冬木の土地に現れる、あらゆる願いを叶えるという器。 これだけなら出来の悪い与太話で終わってしまいそうなものだが、その奇跡の一端を「サーヴァントの召喚」という形で示す事で「真贋はともかく規格外の魔術礼装」として認知されている。 器は願いを叶える「願望機」としての役割も確かに持っており、儀式の完成によってもたらされる膨大な魔力を用いれば大抵の願いは叶えることが可能なので、実質的には真作の聖杯を手にしたのと変わらない。
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開催予定 日帰り乱発開催 月2~3回 トレーラー 「さて、聖杯戦争を始めようか!」 ここはなんやかんやあって聖杯が大量生産されるようになってしまった世界線。 魔術協会と聖堂教会も管理しきれない程の数、されどうっかり問題のある使い方をされればたまったもんじゃない。 というわけで両組織は各地で小規模の聖杯戦争を開催しまくり、適度な願いで聖杯を消費しまくってやろうという結論に至った。 「というわけでみんな、宝くじ感覚で願いを叶えちゃおう!」
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開催予定 日帰り聖杯戦争開催日 不定期。 概要 ルーマニアの首都、ブカレスト。 かつてその地では、"聖杯大戦"と呼ばれる大規模の聖杯戦争があった。 "聖杯大戦"後、土地の霊脈の核となる、"大聖杯"の喪失の影響により、霊脈の均衡が乱れ、その地の霊脈が強まってしまった。 魔術教会はそれを利用し、幾つもの聖杯を降臨させるが、その数は管理出来ない程、産み出された。 その為、魔術協会は聖杯を消費するために、"亜種聖杯戦争"と呼ばれる小規模の聖杯戦争を乱発するようになった。 そして、皆さま宛に『一通の聖杯戦争の誘い』と記された手紙が送られた。 この聖杯戦争も世界各地で行われている"亜種聖杯戦争"のーつではあるが、その規模やルールは冬木の聖杯戦争により近いものと言われている。 その為、小規模の聖杯戦争ではあるが、聖杯は本物でないかと期待されている。 ※この舞台は、Fate/Apocryphaの世界と、別の世界線であることを踏まえて頂けると幸いです。 此方、設定です→https //w.atwiki.jp/fateonsen/sp/pages/393.html
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聖杯観測 ◆y0PHxpnZqw 贖う。 君が抱いた願いは誰の為に背負ったものだっただろうか。 願う。 君が焦がれた願いは誰が為に祈ったものだっただろうか。 この小さな箱庭の中で今も戦っている請願者達。 請願者達は、いつだって前を向いてばかりで後ろを振り向かない。 正義、悪、未来、過去。様々な要素が絡み合った彼らは、どうしようもないぐらいに手遅れだ。 生きるか、死ぬか。それ以外に与えられた選択肢はない。 「今も生き残る請願者達さん、こんにちは。定時報告の前にまずは祝福のエールを贈りましょう。 貴方達は多き請願者の中から勝ち上がった優秀な人種。 “聖杯”は願いを叶える瞬間を待ち望んでいます。 やるべきことはわかっていますね? 戦って、足掻いて、欺いて、想って、生き残りなさい。全ては己が願いを叶える為に」 頭に響く声は“使い捨ての住民”には聞こえない。 過剰な排除は禁じられていても、所詮は駒なのだ。 駒は掃いて捨てるほど存在する。 そんな哀れな駒達の為に神は言の葉を授けるのだ。 主よ、汝らの来世に恒久なる平穏を。 クスクスと笑い声を上げるシスターが、清涼なる神託を述べていく。 「……祝福の言葉はここまでにしておきましょう。 定時報告はただ一つ。“マスターとサーヴァントを含めた残存人数”だけよ。 現時点での生存人数は56人。つまるところ、貴方達以外は全て淘汰されました。 以上よ、それ以外の情報が知りたいのなら――教会に来なさいな。 教えるかどうかはともかくとして、抱く疑問を聞く程度のことはしてあげましょう」 奪う。 例え、何が起ころうとも生き残るのは一人だけ。 喪う。 “聖杯”は喪失を望んでいる。 幾多の犠牲により研ぎ澄まされた願いだけを聞き入れる。 願う。 清浄なる聖杯よ、此処にあれ。紅き血をもって、その器を満たせ。 なればこそ、君の願いはきっと叶うだろう。 「最後に一つ。無駄な悪足掻きはおすすめしないわ。 途中棄権なんて生易しい戦争じゃないって身を持って経験したでしょう? 残された選択は一つ、闘争だけ。貴方達も、私も。所詮は観測対象に過ぎない」 その果てに、“聖杯”は顕現されるでありましょう。 ――――だから、弁えろ。 もっとも、“聖杯”が願いを叶える保証なんて、何処にもないのだけれど。
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開催予定 FGO式第四章 6/2(日) 21 00~ 第十一次 ?/?() 21 00~ トレーラー Trailer from YouTube 貴方宛てに届いた、一枚の招待状。 《孔》の中に見える街。 入り乱れる真実(シリアス)と真実(ギャグ)。 零と全を内包する虚構世界。 或る少女の願いは聞き届けられ、優しき夢幻の杯を生む。 誓いと願いの交差点、想起するは《人類悪》。 思惑入り乱れる騒乱の果てに、遊戯聖杯を手にするのは、果たして―― ハウスルール ルール記載サイトの『サーヴァント』に記述のあるクラスは使用可能。 参加者間でのクラス被りあり。 1つ以上の令呪、もしくは6以上の英雄点を使った【スキル】は禁止(クラススキルを除く)。 2つ以上の令呪、もしくは6以上の英雄点を使った【宝具】は禁止(令呪1つ+英雄点5点も不可)。 【宝具】を3つ以上持ったサーヴァントは禁止。 同じ効果のマスタースキルは重複不可。 その他、ルールに沿ったシートであれば基本的に許可。 お助けサーヴァントルール 交戦フェイズ開始時、自陣営のサーヴァントの人数が相手陣営未満であった場合に宣言可能。 令呪を一画消費し、『Support Servant』という枠にいるサーヴァントを任意に一体選び同盟を結ぶ事が出来る。 「交戦フェイズ終了」「お助けサーヴァントの敗退」「同盟陣営の敗退」の条件が満たされた場合、同盟は破棄される。 また、以下の特殊ルールが適応される。 お助けサーヴァントは能力値に関係なく、交戦フェイズに一回「判定の振り直し」を行える。 同盟陣営はお助けサーヴァントに対し、令呪を使用できる。 セッションログ・FGO式 第一章「生死逢瀬境界ヨモツヒラサカ」 https //ux.getuploader.com/onsenfatetrpg/download/59 第二章「冥焔呪怨戦争オケアノス」 https //ux.getuploader.com/onsenfatetrpg/download/62 第三章「表裏超越王国ワンダーランド」 https //ux.getuploader.com/onsenfatetrpg/download/63 第四章「虚数紅夢魔海エデン・パンタシア」 https //ux.getuploader.com/onsenfatetrpg/download/64 セッションログ・冬木式 第一次 https //ux.getuploader.com/onsenfatetrpg/download/34 第二次 https //ux.getuploader.com/onsenfatetrpg/download/35 第三次 https //ux.getuploader.com/onsenfatetrpg/download/36 第四次 https //ux.getuploader.com/onsenfatetrpg/download/37 第五次 https //ux.getuploader.com/onsenfatetrpg/download/38 第六次 Twitterにて行われたセッションです https //ux.getuploader.com/onsenfatetrpg/download/39 第七次 ログ喪失の為掲載不可。 第八次 https //ux.getuploader.com/onsenfatetrpg/download/40 第九次 https //ux.getuploader.com/onsenfatetrpg/download/41 番外・夏 https //ux.getuploader.com/onsenfatetrpg/download/42 第十次 https //ux.getuploader.com/onsenfatetrpg/download/57 世界観 この酔狂な聖杯戦争が行われる空間は、通常の世界線とはかけ離れたところにある。 並行世界の狭間に浮き、「世界のどこでもない場所」としてあらゆる世界と隔絶されているのだ。 また、この空間はその主の意志により門を開き、どこかの並行世界から人を連れてくることもできる。 そのため、この聖杯戦争は世界線の如何を問わず受け入れる。 もしかしたら、誰もが思いもよらぬ邂逅も在り得るかもしれない。 人物 謎のヒロインT 【年齢】不明(外見10代後半) 【性別】女性 【所属】なし 並行世界の狭間に浮かぶ空間、固有結界「遊戯聖杯」の主。 魔術協会もその動向を追い切れておらず、現在に至るまで素性は不明。 規格外の魔力炉とあらゆる魔術を使いこなし、現代の魔術師はおろか、単体でサーヴァントを圧倒しうる実力を備える。 一説には、過去に時計塔天体科にて観測された「全世界における大気魔力の増幅現象」に関係があると目されている。 アルターエゴ 【年齢】不明(外見10代前半) 【性別】女性 【所属】なし ヒロインTが従える、探偵風の装いのサーヴァント。 一見するとその霊基の強度は普通の少女と大して変わらず、本人も自身を「ただの少女」と評している。 マスター曰く「最終抑止装置」とのことで、普段は街を模した結界内のカフェで紅茶を啜っているらしい。 その他の設定 固有結界「遊戯聖杯」 謎のヒロインTの固有結界。 彼女の主催で行われる聖杯戦争の舞台として設定されており、小さな街と同規模の空間を備える。 また、街としての各設備(店舗、工場、駅など)はすべて整っており、現実における街と何ら変わりのない風体となっている。 この空間内に生命体はおらず、街の営みはすべて人型を模した擬似生命が行っている。 擬似生命の再現度はすさまじく、傍から見れば言動共に人間そのものにしか見えないほど。 但し、これらは結界内でのみ作動する仕組みのようで、使い魔などとして外に出すことは行われない。 霊地は街の中央にある湖。 魔力を含んだ水で満ちており、これを摂取することで失われた魔力の回復などを行える。 Café de Graal 結界内に存在するカフェテリア。 席数はそれほど多くなく、レトロな装飾と店内音楽のジャズ・ミュージックが落ち着いた雰囲気を演出する。 この店は監督役が直接運営しているらしく、聖杯戦争中は中立地帯となっている。 そのため、監督役を頼る場合はここに行けば出会えるだろう。 オススメ商品は、ハニーマスタードが食欲をそそる「バゲットサンド(ハムチーズ)」で、お値段は390円。 紅茶は常駐する少女の趣向で最高級のブランド品となっている。
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開催予定 事件簿式セッション 企画中 21 00~ トレーラー 「では、聖杯戦争を始めましょう」 2004年、冬木。 マキリ、アインツベルン、遠坂の主導により開催された5回目の"聖杯戦争"は、大聖杯の破壊により閉幕。 その10年後、魔術協会は大聖杯の解体を提案。 遠坂当主とロード・エルメロイⅡ世により執り行われた。 しかし、大聖杯解体に関与したとある魔術師により、聖杯戦争の儀式詳細の一部が外部へと拡散。 早々に手は打たれたが、儀式について細々と研究を続ける外部魔術師にとって、これは好機であった。 そして2024年。 その体系の限定的な模倣に成功したと語る魔術師の家系が、銀音(しろがね)市において聖杯戦争を執り行うことを宣言。 同地に集められた7人による、"聖杯"を巡る戦いが此処に幕を開けた――。 ハウスルール ルール記載サイトの『サーヴァント』に記述のあるクラスは使用可能。 参加者間でのクラス被りあり。 1つ以上の令呪、もしくは6以上の英雄点を使った【スキル】は禁止(クラススキルを除く)。 2つ以上の令呪、もしくは6以上の英雄点を使った【宝具】は禁止(令呪1つ+英雄点5点も不可)。 【宝具】を3つ以上持ったサーヴァントは禁止。 同様の効果のスキルを2つ以上持ったマスターは禁止。 その他、ルールに沿ったシートであれば基本的に許可。 また本世界線は、コミュニティで行われている各日帰り卓、及び『パルニング・オーダー』とは無関係の並行世界におけるものである。 そのため、この世界戦におけるセッションは「銀音聖杯戦争参加経験を持つキャラ」及び「新規作成、且つ別時空における聖杯戦争参加をしないキャラ」に限られる。 「別世界線の同一キャラ」などは可能だが、明確な時代背景・年代設定があるため注意されたし。 セッションログ 第一次 https //ux.getuploader.com/onsenfatetrpg/download/58 世界観 この世界戦において、基幹となるおおよその設定は「Fate/stay night [Heaven s Feel]」の真エンディング(桜ルート)に準ずる。 大聖杯は機能を停止し、のちに時計塔の勢力により完全に解体された。 故に、通常の聖杯戦争どころか「小規模の亜種儀式」すら起こりえない世界となっている。 但し、公式での言及の通り、「聖杯戦争」と呼ばれるモノ自体は冬木のような形式をとらずとも開催可能。 (例として、聖杯と名の付くモノを争うオークションがそれに該当する) 認識として単に「英霊を使い魔とするサーヴァント・システムを有する聖杯戦争は実現が難しい」であり、「行うにはそれこそ第三魔法に近しいナニカが必要」となる。 +歴史 2004年の2月、日本の冬木市で5回目となる「冬木聖杯戦争」が行われた。 本来、「マキリ、遠坂、アインツベルン」の御三家により設置された大聖杯は起動に60年を要するが、前回から僅か10年という異例の期間で開催される。 この儀式は過去4回に比べマスターの平均年齢が最も若く、また過去最強のサーヴァント達が集うものであった。 詳細情報は伏せられているが、勝利者はセイバーとそのマスターであるとされ、結果として大聖杯は機能を破壊されている。 第五次冬木聖杯戦争による敗北により、アインツベルンが第三魔法の成就を諦めたため、機能を停止した聖杯は放置された。 ところが10年後の2014年、これを横取りしようとした者たちが冬木へ渡り、大聖杯の復活を画策していた魔術協会の勢力と衝突。 のちに「冬木聖杯解体戦争」と呼ばれる大騒動が起こる。 事態をいち早く察知した時計塔の現代魔術科学部長「ロード・エルメロイⅡ世」と、冬木の御三家である遠坂家当主「遠坂凛」が戦争に介入。 また聖堂教会からも代行者が派遣され、時計塔法政科も裁定者として「シャルル・ヴァロア」を送り込むなど、事態はさらに拡大した。 最終的に大聖杯は完全に解体され、冬木の地における聖杯戦争の歴史はここに終結した。 2019年、冬木聖杯解体戦争の当事者を名乗る男が、ある文書を魔術師たちに公開する事件が起こる。 『大聖杯の設計図(ブループリント)』と呼ばれたそれは瞬く間に拡散され、極東の儀式を認知していた魔術師たちに衝撃を与えた。 幸いこの文書を解読できたものは居なかったものの、魔術協会は対応を迫られることとなる。 結果として協会はその男を捕縛し処罰、拡散された文書の9割を回収することに成功した。 しかし、男の証言から推測される残りの1割は未だ見つかっておらず、現在でも秘密裏に調査を続けている。 そして現在、2024年の秋に、再び魔術師社会を震撼させる事件が発生する。 数年前に別の事件で滅びたと目されていた家系「ソブレト」が、『大聖杯の設計図』の解読及び大聖杯の模倣成功を大々的に告知。 同時に聖杯戦争の開催を宣言、自身を監督役とした儀式を、銀音市という街にて執り行う運びとなった。 事態を重く見た協会は使者を派遣。 聖堂教会も同様に代行者を送り込み、各地から集められた魔術師を含め7人のマスターとサーヴァントにおける儀式が行われた。 この戦争の勝利者はライダーとそのマスターで、冬木とは異なる点として「願いの成就が明確であった」と証言されている。 また、冬木の御三家が目指していた根源への接続は行われなかった。 依然ソブレトの目的や聖杯模倣の手段は明らかになっていないものの、上述の理由もあり、戦争終了後の両組織は静観の構えを見せている。 人物 タルク・ソブレト 【年齢】15歳 【性別】女性 【所属】未所属(ソブレト家現当主) 数年前に起こった「ソブレト襲撃」と呼ばれる事件の唯一の生き残りにして、現ソブレト家の若き当主。 拡散された『大聖杯の設計図』の解読者を自称し、日本の銀音市という街を舞台とした聖杯戦争の開催を宣言した。 そのため魔術協会から目を付けられているが、秘密裏に送り込まれた使者を難なく撃退している。 詳細情報が全くないために噂話の域であるが、彼女が死徒であると証言する者も居るという。 ロード・エルメロイⅡ世 【年齢】49歳 【性別】男性 【所属】魔術協会(時計塔・現代魔術科) 時計塔におけるロードの一人。 本名ウェイバー・ベルベット。 魔術の腕はお世辞にも良いとは言えないものの、特筆すべきは教師としての辣腕。 「教えるもの」としての才能が時計塔内でも群を抜いており、彼の教え子はその全員が大成している。 冬木聖杯解体戦争において遠坂家当主と協力し、過去の経験や類稀なる知識を以て各勢力を抑止、結果的に大聖杯の解体を成し遂げた。 遠坂凛 【年齢】37歳 【性別】女性 【所属】魔術協会(遠坂家当主) 冬木聖杯戦争の御三家、遠坂家の当主。「宝石科の災厄」「赤い悪魔」など様々な異名を持つ魔術師。 第五次冬木聖杯戦争の生き残りであり、魔術師としては破格の才能を持つことから魔術師社会でもかなり名のある人物。 2021年に中東にて処刑された革命家「衛宮士郎」の師であるとされており、本人もこの件についていくらかのアクションを起こしていた。 希少なアベレージ・ワンを持つため封印指定候補であったが、ロード・エルメロイⅡ世の口添えによりそれを免れており、返礼として度々現代魔術科の教壇に立っている。 シャルル・ヴァロア 【年齢】39歳 【性別】男性 【所属】魔術協会(法政科) 冬木聖杯解体戦争において法政科が送り込んだ裁定者。 同戦争における擬似的な調停役を任されていた。 「銀の天秤(ラ・バロンス)」と呼ばれていること以外は一切の詳細が不明、解体戦争当事者の中でも特に謎の多い人物として扱われている。 そのため「シャルル・ヴァロアという名すらも偽名ではないか?」と疑われている。 同じ当事者である遠坂凛は「ニュートラル、という言葉がこれほど相応しい奴も居ない」と言及している。 その他の設定 銀音市 しろがねし。 関東地方の中部に存在する、特に目立ったところのない街で、人口は約九万人程度。 名産品は野菜等を推しているが余り成果が芳しくなく、近年は区画整理事業による宅地化が進んでいる。 但し「居住区」としてはかなり良条件であり、生活に必要なものは街を出ずともたいてい手に入る。 最近は私鉄も敷設されたが、都内へ出ることも容易になったと住民からはおおむね好評。 市の中央部には神社があり、毎年夏に市を挙げた納涼祭が開催されている他、年始には市外からもそれなりの数の参拝客が訪れる。 魔術的観点からみた場合、この神社は霊地としてかなり優良。 そのため一世紀ほど前よりソブレト家が管理しており、聖杯戦争における小聖杯の降臨地としても選ばれた。 ソブレト家 ブリテンを祖とし、王家の血筋を僅かながら引き継ぐ旧い魔術師の家系。 専門は結界魔術。 一部の分野で特許を取得しており、魔術協会の中にもソブレトが考案した結界魔術を使用する者がいる。 一世紀ほど前に日本に帰化し、細々と魔術の研究を進めてきたが、2年前に何者かの襲撃に逢う(ソブレト襲撃事件)。 一族は当主の娘であるタルク・ソブレトを除きほぼ全滅しており、魔術師社会は「すでに滅亡した家系」として扱っている。 その上で、旧く歴史のある家でもあったためか、当時は傀儡としようと画策する幾つかの勢力が水面下での争いを行っていた。 しかし、生き残りであったタルクが突如としてその争いに終止符を打つ。 全ての勢力を駆逐した上、『大聖杯の設計図』解読による術式の模倣に成功したと大々的な告知を行った。 また、銀音市を舞台とする「聖杯戦争」の開催を宣言し、7人のマスターとそのサーヴァントを呼び寄せ儀式を執り行う。 その目的、真相は不明。 魔術協会及び聖堂教会は現在のところ静観の構えだが、同家が実質的な火薬庫となっているのは言うまでもない。 『大聖杯の設計図』 ブループリント。 冬木聖杯解体戦争に携わったとある男が記し、巨大な売り文句と共に拡散させた文書。 絶対数が少ないため内容は僅かにしか知られておらず、解読者も現状判明している限りでは一人しか居ない。 冬木市の聖杯戦争における「大聖杯」の術式が記されていると一説には言われており、それが通称の由来となっている。 眉唾であるという者、第三魔法に至る手がかりであるという者、世界を変える代物であるという者など、情報の不足と錯綜が魔術師社会を惑わせた。 更に、著者である男は既に魔術協会に「処罰」されており、その真相を聞き出すことは出来ないという状況にある。 現存する9割以上を魔術協会が所有しているが、残る数部の行方は未だに知られていない。
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おかえり聖杯戦争◆wd6lXpjSKY 夜の街を駆け抜ける二つの影。 夜科アゲハは奥歯を噛み締め、月に照らされながら北を目指していた。 靴裏とアスファルトの擦れる音が耳に残る中、彼は自分の記憶に振り回される。 「呑気に寝ている場合じゃねえ……!」 起床時には学園の崩壊という一報に驚き、覚醒せぬ頭では思考が回らなかった。 異形の化物の襲来により、考えるよりも先に身体が動いていた。 戦場へ向かう真っ最中であるが、火蓋が切って落とされるのは数刻先である。故に脳に安らぎの一時が生まれていた。 夜科アゲハの記憶に差し込まれるは主催者――天戯弥勒の声だった。 時計の針が十二と重なりし瞬間、彼の声が聖杯戦争の参加者に届いていたが、肝心の夜科アゲハは瞳を閉じ、寝てしまった。 「アサシンの脱落――人吉のとは別のサーヴァントが落ちた。 変な化物が動いていることを考えれば、昼よりも他の奴らが活発になっているのは明らかじゃねえか……っ!」 目覚めと同時に記憶に混在する天戯弥勒の声はやけに透明だった。 聞いていない言葉は間違いなく不純物である。他人に記憶を改竄されたような、一種のトランスに陥ったとも捉えられる。 しかし、感じぬ違和感が夜科アゲハの心を静かに侵食する。まるで聖杯戦争の記憶を自然と理解していた始まりと同じ感覚である。 「学園がぶっ壊れたってのはフェイクの可能性もあるが……テレビでやってんならマジだよな。 巨人がいたのも多分……今更俺らより馬鹿デケえ奴がいたって、ロボットが出ても不思議だなんてことはありえない」 太陽が昇っている間に通っていた学園の崩壊は、偽りの学び舎ながら夜科アゲハの興味を惹くには十分過ぎる情報だった。 複数の聖杯戦争参加者が集う規格外の火薬庫が弾け飛んだ。そう考えれば理解し難い話ではあるまい。 問題は戦闘が行われていたことである。彼は全てのマスターやサーヴァントと出会った訳ではない。 未だ見えぬ脅威、或いは仲間になり得る存在かもしれないが、何よりも圧倒的な情報不足である。 寝ていた自分を殴りたい気持ちに駆られ、過去に飛べるならば睡眠を妨害していただろう。 そして極めつけは―― 「俺は――落ちる前に全てを片付けてやる」 夜空を見上げれば満月が世界を嘲笑っていた。 天戯弥勒の言葉の幕切れは比喩でも無ければ、詩的に表した訳でも無かったのだ。 偽りないその意味は月が世界の崩壊を物語っていた。彼曰く聖杯戦争のリミットである。 世界の終わりが見えたこと。 聖杯戦争に新たな脱落者が現れたこと。 アッシュフォード学園が崩壊してしまったこと。 謎の巨人が現れたこと。 地震や津波の類が発生していること。 異形の化物が現れたこと。 ――金のキャスターの手先が接触してきたこと。 眠気を吹き飛ばすには充分だろう。 脳に叩き込まれた多くの情報が夜科アゲハの脳を刺激し、彼の意識を覚醒させる。 次に自分が行うべき行動は何か。場所は、敵は、味方は、天戯弥勒は――人吉善吉は。 大地を蹴り上げる足に自然と力が籠もる。 肌で風を切り、ちらほらと視界に入り込む通行人を避け、着実に北へ向かう。 金のキャスターによって操られた人間が怯えていたのは何故なのか。 幾つかのパターンが考えられるが、夜科アゲハの思考は唯一つの答えを最速で弾き出していた。 不敵な笑みを浮かべ、少々ではあるがこんな答えに満足してしまう自分に恥ずかしさをも覚えてしまう。 「辿り着けば、全てがわかるんだよ……!」 などと、思考を放棄出来ればどれだけ楽だっただろうか。 言葉では簡単に吐き捨てるが、彼の脳内は未だに出口の見えない迷路を彷徨っている。 情報の処理と理解を締め付けるは寝ていた自分への愚かさである。 少しでも動いていれば――状況は全てが変わっていたかも知れない。 彼は全てを知らず、未来の海賊王が固有結界を発動したことも、とある世界の頂点と天使と悪魔の世界に踏み入った二番手の決戦も。 世界の壁を超越した対立も、全てに出遅れている。彼がその事実に辿り着くことは無いが、取り残される感覚だけが心を埋め尽くす。 故に少しでも前へ。 北上すれば人吉善吉や金のキャスターとの接触する可能性が高い。 月が世界に迫ろうが、夜科アゲハの行動は変わらず、彼は己の為すべきことを――天戯弥勒の元へ辿り着け。 「そこら辺から盗ん……拝借してきたぜっ! 早く後ろに乗りな!」 考え事に夢中になっていたのか、夜科アゲハはバイクが並走するまでエンジン音にすら気付かなかったようだ。 横目を流せば相棒であるセイバー纏流子がヘルメットも被らずに、じゃじゃ馬に跨っていた。 窃盗に注意する筈もなく、夜科アゲハは右足を振り上げ宙へ跳び、纏流子が待ってましたと言わんばかりに軽くブレーキを握り締めた。 彼らは所謂、不良の類。窃盗の一つや二つ、違法走行程度に口を挟む人種とは掛け離れた存在である。 「飛ばしてくれ! 俺達の出遅れた分を一気に回収してくれ!」 「言われなくても飛ばしてやるさ、舌を噛むなよ手を離すなよ? そんじゃあ――飛ばすぜぇ!!」 夜科アゲハが後ろに跨った瞬間、バイクは唸りを上げ一瞬でフルスロットルへ。 アスファルトに焦げ付くは彼らの思いか、溢れ出る熱を表現するかのようだった。 「昼も大概だったけどよ、夜になると一層暴れてやがる」 「なあ纏、アサシンが脱落したって話だけど、他に何体のサーヴァントが落ちたと思う」 「あー……知らねえな。エスパーじゃねえし。でも、確実に他の奴もくたばってるさ」 「一応聞くけど、根拠はあるのか?」 「――しっかり捕まってろ、ちょいとこっちも暴れるぜ」 マスターの問を中断し、サーヴァントたる纏流子はハンドルを傾ける。 身体を襲う衝撃に夜科アゲハは顔を歪め、文句の一つでも言い放とうとした瞬間だった。 先程まで走っていた地点に何かが降って来た。 ハンドルから離れた纏流子の右腕が掴むは紅き鋏の片割れ――片太刀バサミ。 その刀身はハサミの冠に似合わず刀と同義かそれ以上。月夜を反射し紅に纏流子の鋭い瞳が浮かび上がる。 「ん~、誰だお前?」 不気味な襲来者を夜科アゲハは壊れた人形のような存在だと感じ取る。 人間を型どってはいるが、疎らに歪な造形、見た者を不安にさせるような表情や挙動。 寝起きの襲撃者はどこかファンタジーやメルヘンらしさを匂わせていたが、今回は違う。 生理的な恐怖や悪寒を引き立たせる存在は、奥に製作者の顔を覗かせているようにも感じてしまう。 「お前が誰だって話じゃねえかぁ!!」 空から降って来た人形が地面に着地する寸前の出来事である。 纏流子は片手運転で器用に体勢を整えたまま接近すると、空いた右腕を空へ伸ばす。 握られた片太刀バサミが振り下ろされ、人形はあっという間に一刀両断。 バイクが道路を走り抜け、からんころんと飛び散った部品が大地を転がる音だけが人形の結末を演出する。 「……なんなんだよ、あいつ」 「さあな。どうやら人違いっぽいから誰かを狙ってたみたいだったけどな」 「喋る服に戦国武将に悪魔に人形か……なんでもありだよな」 「わけが分からねえのがサーヴァントみたいなところあるからな」 あの人形はサーヴァントじゃないからな。 そう付け加えた纏流子は一切振り向かずにバイクを走らせる。 襲撃者は確実に誰かを狙っていた。それは恐らく創造主に命令されていたのだろう。 推測ではあるが魔力に反応しこちらを襲って来たのだろうか。 真実を包む闇を晴らすのは現状じゃ不可能だ。だが、下っ端を使役し暗躍している存在は認識した。 人形を使役するサーヴァント――話に聞いていたキャスターであろう。 金のキャスターとは異なる存在に纏流子は遭遇しておらず、ランサーである前田慶次らからの又聞きでしか把握していない。 しかし、碌でもない人物であることは確かであり、キャスターの英霊は揃いも揃って悪趣味な連中なのだろうか。 ふと夜空を見上げれば月。 生前の纏流子は大気圏を突破し宇宙へ到達したことを思い出す。 最悪の結末を迎える前に自分が正面から破壊することも視野に入れるべきだろうか。 などと考えていると、必要以上に黙るマスターに気を取られてしまいため息を零す。 「睡眠も大切だって」 「……うるせえ」 「出遅れた感じはあるけどよ、目的はドンパチすることか? 見境なしに喧嘩をふっかけることか? 違うよな」 いつまでもくよくよすんな、らしくない。 そう言葉を投げ、纏流子の笑いが風に流れて後方へ。 「絶対に姉キのところへ帰るんだろ? だったら止まらねえで、やることがあんだろ」 振り向いた彼女の口から歯が覗き、無邪気な笑顔を見れば夜科アゲハは考えることが馬鹿らしくなっていた。 最も自分のやるべきことを見失ってもいなければ、落ち込んでいた訳にも非ず。ただ、ケジメが必要だった。 睡眠の選択は戦局を長い目で見据えれば悪い訳ではなく、体力温存の面から考えれば最善の可能性すらある。 結果的に人吉善吉の捜索を打ち切ったこと。言い換えればダチを見捨てたことが、夜科アゲハの心を静かに苦しめていたのかもしれない。 「そうだな……あぁ、そうだよな。 さっさと行こうぜ。俺にはやらなくちゃいけないことがまだまだあるんだ……こんなところじゃ止まれねえ」 「全くだ。これまで散々寝てた分を取り返してやろうぜ! 盛り上がっているところに悪いが、まだあたし達がいるんだよ」 人知れず輪から取り残された彼らがバイクに跨がり夜を駆け抜ける。 舞台を照らす灯りが増え、カーテンの切れ間から覗く役者も舞台に躍り出た。 だが、彼らが残っている。参加者にして唯一、主催者たる天戯弥勒を知る彼が残っているのだ。 之より戦場に帰還するは一人の男。 夜科アゲハ――沈黙を破り、再び舞台の上で踊り狂う。 【B-4/二日目・未明】 【夜科アゲハ@PSYREN-サイレン-】 [状態]魔力(PSI)消費(小) [装備]なし [道具]グリーフシード×1 [思考・状況] 基本行動方針:聖杯戦争を勝ち抜く中で天戯弥勒の元へ辿り着く。 1.北上し、地震の原因と金のキャスター、人吉を探す。 2.地震が人為的なものでなく、危険を感じたら避難する。 [備考] ※ランサー(前田慶次)陣営と一時的に同盟を結びました ※セイバー(リンク)、ランサー(前田慶次)、キャスター(食蜂)、アーチャー(モリガン)、ライダー(ルフィ)を確認しました。 ※ランサー(レミリア)を確認しました。 ※キャスター(フェイスレス)の情報を断片的に入手しました ※『とある科学の心理掌握(メンタルアウト)』により、食蜂のマスターはタダノだと誤認させられていました。 ※アーチャー(モリガン)と交戦しました。宝具の情報を一部得ています ※グリーフシードを地球外由来のもの、イルミナに近い存在と推察しています。 【セイバー(纒流子)@キルラキル】 [状態]魔力消費(中)疲労(小) [装備]バイク@現地調達 [道具] [思考・状況] 基本行動方針:アゲハと一緒に天戯弥勒の元へ辿り着く。 1.北上し、地震の原因と金のキャスター、人吉を探す。 2.地震が人為的なものでなく、危険を感じたら避難する。 3.キャスターと、何かされたアゲハが気がかり 4.アーチャー(モリガン)はいつかぶっ倒す [備考] ※セイバー(リンク)、ランサー(前田慶次)、キャスター(食蜂)、アーチャー(モリガン)、ライダー(ルフィ)を確認しました。 ※間桐雁夜と会話をしましたが彼がマスターだと気付いていません。 ※キャスター(フェイスレス)の情報を断片的に入手しました ※アゲハにはキャスター(食蜂)が何かしたと考えています。 ※アーチャー(モリガン)と交戦しました。宝具の情報を一部得ています BACK NEXT 067 We go! ……and I m home 投下順 069 とある少女の前奏曲 067 We go! ……and I m home 時系列順 069 とある少女の前奏曲 BACK 登場キャラ NEXT 064 きっとどこかに繋がる世界 夜科アゲハ&セイバー(纏流子)
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数十年に一度、日本の冬木市において行われる戦いの呼び名。 戦いは全7陣営で行われ、各陣営はマスター(聖杯が選んだ参加者)とサーヴァント(マスターが召還した英霊)がペアになって戦う。 全7陣営は入り乱れ、冬木市内でバトルロイヤルを繰り広げる。 トーナメント形式ではなくバトルロイヤルのため、各所で様々な戦いが行われる事となる。 最後まで生き残った陣営には聖杯という〝あらゆる願いを叶える奇跡〝が授けられる。
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「うーん……やっぱないかぁ」 深夜、こそこそと提督ことマスターである沢木直保の住むマンション周辺で キャスターはいかにも怪しくうろついていたが、不満げに溜息を漏らしているところだった。 彼女が探しているのは燃料や鋼材。 キャスターとしては特殊な部類に入る彼女には必要なもの。 鋼材があれば耐久が上げられ、燃料があれば魔力回復が可能となる。 それは彼女が『艦娘』という艦隊を擬人化した存在であり 艦隊そのものであるが故の能力だからだ。 艦隊とはいっても種類は様々。 駆逐艦。 軽巡洋艦。 戦艦。 潜水艦。 補給艦。 重巡洋艦。 空母。 軽空母。 キャスターもとい隼鷹は軽空母に部類される。 文字通り、空母には様々な面において劣化したものだが、多少速さが保障されている。 防御力は劣化している――のが本来の軽空母なのだが キャスターの場合、艦隊としての逸話によって、さらには『地球』のキャスターとして召喚されたこともあり 耐久性はかなり上昇されてある。 折角だから自慢の耐久性を伸ばしたいところ。 だが、肝心な鋼材のある加工所らしきものは一切なかった。 「仕方ないなぁ……そこんとこはまた今度ってことで。お酒でも探すかー!」 もう一つの魔力確保である酒。 キャスターの魔力確保がそれなりに優れているが、彼女のマスターが魔術師でもなんでもないことを考慮すると。 プラスマイナス0という具合だろう。 キャスター。 なのだが、これまた変な話。このキャスターは陣地作成はしない。 航空戦により上空を掌握する。 手間暇をかけない点ではかなり優れている。 しかし、航空戦をするにあたって必要なのが戦闘機。 戦闘機を作成するのに、これまた魔力を必要とするのだ。 つまり何がなんでも魔力の確保をしなくてはならない。 どうせここは聖杯が作り上げた空間に過ぎない。 サーヴァントの前では人の法は適応されない。サーヴァントには『聖杯の法』が適応されるのだ。 それを裁定するのがルーラー。 即ち、『地球』の、『黒』のキャスターの場合。 彼女を裁くのは『黒』のルーラーである。 本来、それが正式なルールだ。 「――バル」 だが 「バル――バル――」 それでは駄目なのだ。 「バル――バルバル――」 それはサーヴァントを裁くだけであり、マスターを裁く『法』ではない 「バルバルバルバルバルバルバル」 だからこそ!故に!! 「バルバルバルバルバルバルバルバルバルバルバル!!」 『月』から来訪者が現れた! 白のバーサーカー!そして月のバーサーカー!! 彼は『地球』でもなく『月』でもない――第三の裁定者なのだ!! 慢心していたキャスターの背後から狂気を帯びた声を流し、バーサーカーは向かう。 バーサーカーの吠え声にキャスターは慌てた。 「えっ、え!?ちょ、ちょっと待った!タンマタンマ!!」 止まれと言って止まれるバーサーカーではない。 バーサーカーがキャスターの前に着地したその衝撃だけでキャスターは吹き飛ばされた。 改心の一撃を吹き飛ばされたことにより回避したのは、キャスターの俊敏ではなくもはや運だろう。 「よりによってバーサーカーじゃん!運悪いな、もー!!」 キャスターが愚痴を漏らしながら立ち上がった矢先、上空からもう一人。 青き断罪の炎を灯した存在が出現した。 「ひー!もう一体!?……ってこっちはマスター?」 「まずはその意思から問おう」 奇抜な恰好をしたマスターとバーサーカーに板挟みされ、キャスターは危機的状況にある。 まさかこんなタイミングに同陣営が助けに現れる奇跡もないだろう。 にしても、キャスターは危機感を煽るどころか非常に申し訳なさそうな表情で 「えっと……ごめん。もう降参していい?」 彼女の言葉に双方目立った反応は見せなかったが、実はひっかけでも何でもない。 キャスターは自衛する手段をまったく持ち合わせていないのだ。 軽空母らしく遠距離から戦闘機を送り込み、指示する。それだけしかできない。 攻撃手段としてはそれだけでも十分なのだが、それ以上のことができない。 つまり、直接攻撃されたら何もできないのだ。 「そのー……なんていうの?肩すかし食らわせるつもりはないんだけどさぁ…… あたし、マジで殴り合いとかそういうのできないんだよ。キャスターだから」 そうとも限らないのである意味キャスターに偏見を与えてしまうような言葉を漏らす彼女に バーサーカーのマスターが口を開く。 「強固たる望みはないと主張するか。主の渇望すら犠牲とすると」 「ん?う、うーん?えっとーそうだなー?? あたしに願いはないし、提督も元の世界帰りたいってだけだぜ」 難しい言いまわしをするそのマスターにキャスターが返事をした。 「他と比べたらそりゃふざけんなって感じだけど、あたしの提督――じゃなくってマスターは巻き込まれ型でさぁ 聖杯って数合わせの都合で無関係の奴巻き込むこともあるじゃん?それだよ、それ! あたし?まーあたしは適当に酒呑めたらなーって奴だから」 「成程。意思は理解した。バーサーカー」 マスターの言葉にバーサーカーは音もなく霊体化を遂げた。 キャスターはこの行動の意図が理解できずに、ポカンとしている。 「どういうこと?」 「汝の主張が偽りであれば断罪を下すまで。『月の法』に従い『正しき聖杯戦争』を行うがよい」 「????」 謎めいた言葉だけを残し、マスターの方も立ち去ってしまったのだ。 キャスターにはさっぱり理解できない。 白のバーサーカーのマスター・ルナティックだけが理解する。 彼女には戦う意思がなく、マスターも同じであると。 ここにキャスターのマスターは同席していなかったものの。 あっさりと降参するほどのキャスターの態度を見て、冗談半分ではないことは彼にも察せた。 キャスターがいかなる方法で戦うのかも不明確のままだが 嘘であればその時はその時だ。 取り残されたキャスターは釈然としないものの。 何故か見逃されたという結果だけが残されていた。 「よくわかんないなー。なんだったんだろ、アイツら」 あれは確かに月陣営のバーサーカーだ。 のちのち面倒なりうるキャスターを放置するのは何故か? 難しく考えないキャスターは、なんか事情があったのだろうと判断する。 「もしかして、こっちの陣営に行きたいってのもある?んーまぁいっか!!見逃してくれてラッキーだぜ!」 ◆◆◆ 「朝っぱらから飲んでる奴がいるかー!!!」 直保は空の缶ビールを並べ、ぐでんぐでんになっているキャスターに怒声をあげずにはいられなかった。 しかも、このビールは勝手に金を使われて購入したものらしい。 それなりの金が消費されているのに、直保は溜息をつく。 周囲に漂う菌たちは呑気に直保へ声をかけてきた。 『おはよーただやす~』 『お前起きるのおせーぞ~』 「あぁ……おはよう。……そうだ。なぁ、キャスターの奴、なにしてたんだ?」 こういう掴めない状況に対しては彼らから情報を仕入れるのが良い。 すると、菌たちは口々に話す。 『なんか作ってたぞ~』 『女に働かせて何もしないなんて、駄目な男だなー』 『お前もなにかしろよ、ただやすー』 「一言余計だ!」 しかし、何か作っていた。というのは恐らく戦闘機だ。 彼女なりに戦う準備をしている、ということ。 それを聞いて、確かに菌たちも主張も一理あった。 でも俺に出来る事ってなんだ? 真っ先に浮かんだのは菌たちだ。 魔術師の中には菌を操るものがいる――のかも分からない。 だが、やってみないことには始まらない。彼らを使えばもしかしたら ……こいつらを利用するなんて言い方は、やっぱり後気味悪いよな。 直保自身、菌が肉眼で見える能力に悩まされた事はあるし、無くしたいとすら思ったこともある。 だけども彼らに罪はないのだ。 彼らによって世界が成り立っているところもある。 半ば友のような存在。 聖杯戦争なんて――巻き込ませたくないんだけどな。 直保は最後に踏みとどまって決心することは出来ずに終わった。 だけどなるべくそうしたくはない。 せめて最低限のことだけしようと菌たちに言葉を告げた。 「この辺りで変わった事があったら俺に知らせてくれ」 『なんだ?なにかあるのかー?』 『おもしろそうだな』 『わかったぞ~!』 俺にできることはこのくらいだ。あとは―― 爆睡しているキャスターに再び溜息をつくと、直保は静かに毛布をかぶせてやった。 取りあえず学校には行って。 それからどうするか考えようと直保はいつも通りの日常を始めた。 刻一刻と聖杯戦争の影が蝕もうとも関係なく。 【B-8/マンション/1日目 早朝】 【沢木直保@もやしもん】 [状態]健康 [陣営]地球 [令呪]残り3画 [装備]なし [道具]鞄(筆記用具類)、携帯端末 [所持金]大学生としては普通(キャスターが使用しある程度減っている) [思考・状況] 基本行動方針:元の世界へ帰りたい 1.いつも通り通学。これからどうするかは大学で考える。 2.今のところ菌たちには調査だけさせる。 [備考] ※自宅マンションがあるB-8周辺、直保の周辺で発生した事件を菌たちに調査させています。 ※通う大学がどこにあるかは後の書き手様におまかせします。 【キャスター(隼鷹)@艦隊これくしょん】 [状態]爆睡、泥酔、魔力回復済み [陣営]地球 [装備]戦闘機(全搭載) [道具]なし [所持金]なし [思考・状況] 基本行動方針:まーできるだけ頑張るよ! 0.もう飲めない、寝る! 1.同陣営と誰でもいいから合流したい。 2.アイツら(バーサーカー組)なんなんだろ。いい奴ってことでいっか! 3.できれば鋼材が欲しい [備考] ※戦闘機を全搭載まで作成しました。これ以上作成しても予備の戦闘機を確保できません。 ※白(月)のバーサーカー組は敵ではないと判断しています。 ◆◆◆ 「あれがキャスターのマスターか」 それを監視しているのは一人の男、ルナティックの表の顔――ユーリ・ペトロフ。 念の為、キャスターには手出ししなかったものの、彼女を追跡していた。 間抜けなことに彼女は霊体化もせず、あのマンションに帰宅していた。 ある意味ではちゃんと金を払って酒を入手していたから、律儀とも言えるかもしれない。 確認したところ『沢木』という名が表札としてつけられている。 この時間帯でラフな恰好で外出したところを見ると、大学生辺りだと察せられた。 これだけでも十分な収穫だ。 ユーリは腕時計で確認する。 そろそろ職場へ向かわなくてはならない。 沢木直保に大学生としての役割があるのならば、ユーリ・ペトロフにもまた裁判官としての職務がある。 聖杯戦争があろうがなかろうが。 それを変える事はしない。 正直、この状況で他のマスターと出くわすことはそうそう叶いはしない。 また『月』が浮かぶ夜。 ルナティックとして闇に身を溶け込ませ、動くべきだろう。 もちろん、マスターである沢木直保に話をするのも悪くはないが ユーリとしては一刻も早く多くのマスターと接触することを優先させた。 「私は全てをマスターを見定めなくてはらない。そしてタナトスの声を聞かせるのだ」 弱者は生かし、悪しき者を殺す。 第三の裁定者として彼自身が架した使命の名の基に。 【B-8/マンション前/1日目 早朝】 【ユーリ・ペトロフ(ルナティック)@TIGER BUNNY】 [状態]健康、ユーリ・ペトロフとしての姿 [陣営]月 [令呪]残り3画 [装備]なし [道具]携帯端末 [所持金]不明 [思考・状況] 基本行動方針:『月の法』に従い、聖杯戦争を正しく運行する。 1.昼間は職務を行う。 2.戦闘よりも全てのマスターの見定めを優先させる [備考] ※黒(地球)のキャスターのパラメーターを確認しました。 ※黒(地球)のキャスターのマスターが『沢木』という名であることを確認。 またその所在地であるマンションを把握しました。 ※現在の段階では黒(地球)のキャスター組を生き残らせる方針にしています。 【バーサーカー(バオー/橋沢育郎)@バオー来訪者】 [状態]霊体化 [陣営]月 [装備] [道具] [所持金]なし [思考・状況] 基本行動方針:??? 1.??? 投下順で読む Next 『勝利条件の確認』
https://w.atwiki.jp/fateonsen/pages/122.html
【レギュレーション】 形式:PvP、NPCあり 難易度:★★☆☆☆ 所要時間:1回3時間程度、複数日に分割 PL人数:3~8人+NPC1人 【シナリオの概要】 ここは温泉で有名な草津町。この地には古くからの巨大な霊地がある。 しかし現在は魔力が飽和状態にあり、特殊な儀式を行うなどで溜まった魔力を発散しなければならない。 その儀式の名は「聖杯戦争」。 7騎のサーヴァントを7人の魔術師が従えて万能の願望器「聖杯」を奪い合う魔術儀式。 魔術協会によって雇われた魔術使いによって、その戦いは開始が告げられる。 【リプレイ・ログ】 https //trpgsession.click/topic-detail.php?i=topic151499397187 ディレクターズ・カット版(キャスター陣営除く) https //ux.getuploader.com/onsenfatetrpg/download/32 【参加者】 ラーミナ・イグニス:セイバー 水元 明良:アーチャー 漆谷るか:ライダー 煤居 秋:キャスター 春原 和子:バーサーカー 赤威 麗華:アヴェンジャー 【NPC】 ランサー